S&Pグローバルが発表した5月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.4と、4月51.3から急上昇し、2022年4月以来の高水準を記録、予想値51.1を上回った。 

この1年で最大の伸びを示したサービス業がけん引役となり、PMI速報値は54.8となった。製造業PMI速報値は50.9と良好な結果となった。失業の波が続いているにもかかわらず、企業は先行きを楽観視し、受注が増加した結果、人員削減のペースが鈍化した。投入コストと生産価格はここ数ヶ月で連動して上昇し、製造業の最終価格は上昇した。しかし、販売価格は過去1年間の平均を下回っている。将来の生産高に対する期待も、4月に記録した5ヵ月ぶりの低水準から緩やかになっている。 

(米総合購買担当者景気指数。 出所：S&Pグローバル) 

木曜日のウォール街は逆風が吹き荒れ、意外なPMI速報値の良好な結果を受けて高金利環境に対する懸念を呼び起こした。ダウ平均は605.78ポイント（-1.53％）下落し、今年最悪のパフォーマンスを記録した。S&P500指数とナスダックも売りに見舞われ、史上最高値からそれぞれ0.74％、0.39％下落した。 

S&Pグローバル社が発表した統計によると、米国の企業活動は加速しており、スタグフレーションが進行していることから、米連邦準備制度理事会（FRB）はタカ派的な姿勢を維持する可能性が高く、債利回りの上昇を招き、リスク資産価格の重荷となっている。 

ほとんどの大型株は調整中だが、エヌビディア(NVDA.US)はAIチップへの旺盛な需要からポジティブなガイダンスを受け、9.32％と初めて1000ドル台に上昇している。しかしボーイング(BA.US)はそれほど楽観的ではなく、最高財務責任者（CFO）がフリー・キャッシュフローが赤字になると予想し、生産ラインの問題が続いているため航空機出荷が第2四半期も回復しないとの見通しを示したことが原因で、株価は7.55％下落した。 

（S&P500指数月足チャート） 

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