英イングランド銀行（BOE）は19日、政策金利を5.0％に維持すると決めた。金融政策委員会の投票結果は8対1で据え置きとなり、市場想定の7対2よりも上回った。金利据え置きを反対したのは外部委員のスワティ・ディングラ氏（Swati Dhingra）のみで、同氏はさらに0.25ポイントの利下げを支持し、先月実施されたイングランド銀行の2020年以来の利下げをさらに延長する考えを示した。政策金利据え置きという決定により、ポンドは2022年3月以来の高値となる1.3300ドルをわずかに上回った。発表前は1.3266ドル前後だった。 

（英ポンド/米ドル日足チャート。　出所：Trading View） 

BOEのアンドリュー・ベイリー総裁は、より慎重なアプローチを維持し、賃金の伸びは依然として不安なほど高く、長期的なインフレ圧力が緩和するペースをめぐって政策立案者の意見は分かれていると指摘した。ベイリー総裁は、インフレを低く抑えることの重要性を強調し、あまりに急激な利下げや大幅に引き下げないように注意を呼びかけた。その後、ベイリー総裁は今後の政策金利のさらなる低下について楽観的な見方を示したが、BOEはまず、物価上昇圧力が緩和していることを示すより明確な証拠が必要だと強調した。 

さらにBOEは、インフレ率が年末までに約2.5％まで上昇すると想定しており、直近の2.2％から上昇するものの、先月の予想値2.75％からは下方修正した。19日の決定を受けて、投資家は2024年末までにさらなる2回の利下げを完全に予想しなくなったが、それでも来年6月までに4〜5回の0.25ポイントの利下げを予想している。一方、米国では7回程度の同規模の利下げが予想されており、BOEはFRBより遅いペースで利下げを行うという見方で市場からはコンセンサスが得られている。 

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